新しい腸瘻造設術(low profile button jejunostomy)の手技と効果、pilot study

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  • New Jejunostomy : Low Profile Button Jejunostomy

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抄録

はじめに : 胃全摘後患者の栄養改善とQOLの維持を目的として,ボタン型胃瘻カテーテルを応用した新しい腸瘻造設術(low profile button jejunostomy ; 以下,LBJと略記)考案した.その手技および効果について検討したので報告する.方法 : 胃全摘術,Roux-en Y再建術を行った23例を対象とした.手術時,Y脚空腸にLBJを行った.術後腸瘻カテーテルより補助経腸栄養を行った.結果 : 術後6か月以上腸瘻カテーテルから補助経腸栄養を活用したのは21例(91.3%)であった.術後BMIは減少したが,血清トランスフェリン値,プレアルブミン値,レチノール結合蛋白値は上昇した.術後アンケート調査では,腸瘻管理の煩雑さはほとんどなく,本治療に対してほぼ満足であるという結果がえられた.LBJの合併症には重篤なものはなかった.performance status (以下,PSと略記)が術前後で変化がなかったのは6例(26.1%)で,17例(73.9%)は術後に低下がみられた(16例がPS-OからPS-1,70歳の在宅癌化学療法施行例の1例がPS-1からPS-2).初回術後50%入院期間は22日であった.術後6か月間の再入院は3例あったが,LBJの合併症や栄養障害によるものではなかった.在宅癌化学療法は,術後6か月間に平均3.3コース施行可能であった(奏効度PR1例,SD5例,PD1例).結論 : LBJは簡便で安全な手技であった.また,胃全摘術後患者に対するLBJを用いた在宅補助経腸栄養は,術後の栄養状態を良好に保ち長期的なQOL維持に寄与すると考えられた.

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