食道癌術後の気管支瘻に対してバルーン閉塞下フィブリングルー注入が有効であった1症例

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  • A Case of Bronchopleural Fistula Associated with Esophageal Surgery Successfully Closed by Injection of Fibrin Glue under Bronchoscopic Observation

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抄録

食道癌術後の発生した膿胸は治療に難渋することが多く, さらに気管支瘻を併発した場合は特に治療困難となる. 気管支瘻に対する治療としては有茎性大網充填術, 有茎性筋肉充填術の外科的治療が行われているが, 胃管再建の食道癌術後早期の気管支瘻ではこれらの外科的治療が困難である. 今回, 気管支をバルーン閉塞させてフィブリングルーを注入する方法が有効であったので報告する. 症例は61再の女性で, 胸部食道癌に対して食道亜全摘・胃管利用胸骨後径路再建を施行した. 腫瘍は気管分岐部〜左主気管支に浸潤しており, 潰瘍底が一部残存した. これに起因すると考えられる右膿胸を発生し胸腔ドレナージ, 胸腔内洗浄を施行したが, air leakを多量に認め気管支瘻の併発を認めた. 術後43日目に気管支鏡下に B^6b をバルーン閉塞させフィブリングルー3mlを注入したところ, air leak は消失し気管支瘻は閉鎖された.

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