高齢者急性腹症の統計学的検討  69歳以下の症例と比較検討して

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  • The acute abdomen in the extreme elderly. Compared with patients under sixty nine years old.
  • COMPARED WITH PATIENTS UNDER SIXTY NINE YEARS OLD
  • 69歳以下の症例と比較検討して

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抄録

70歳以上の高齢者で, 手術の対象となった急性腹症56例を, 69歳以下の症例581例と比較検討した. 高齢者では, 腸閉塞症によるものが53.6%を占め, 急性虫垂炎は8.9%と少なかった. 高齢者急性腹症の術前診断率は50.9%・術前併存疾患合併率は69.1%・術後合併症発生率は50.9%・直死率は14.5%であり, いずれも若年者との間に有意差が認められ, とくに消化管穿孔例の成績が不良であった. これは, 若年者に比べ大腸癌の穿孔が多く, 術前の白血球増多などの検査所見が定型的でないことも含め, 診断が遅れることが原因と思われた. また高齢者の腸閉塞症では, 50%に悪性疾患が関与していたが, 腫瘍切除率・直死率に若年者と差はみられなかった.

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