内瘻形成を繰り返した回盲部単純性潰瘍の1例

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タイトル別名
  • A Case of Recurrent Simple Ulcer in Ileocecal Region wiht Internal-fistula between Small Intestine and Colon

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抄録

症例は41歳の男性. 1987年8月頃より微熱をともなった右下腹部痛のために来院. 注腸造影, 小腸造影検査および大腸内視鏡検査にて, 腸間膜対側盲腸の回盲弁直下と回腸末端に周提隆起をともなった境界明瞭な類円形の深い潰瘍があり, 両潰瘍は互いに内瘻化していた. 回盲部切除を行い, 組織学的には回盲部単純性潰瘍と診断された. 術後8ヵ月頃より吻合部近傍の肛門側の上行結腸の潰瘍と, それより約60cm 口側の潰瘍が互いに内瘻を形成しており, 再手術を行った. Salazosulfapyridine 投与にて再手術術後2年1ヵ月経過したが, 再発をみていない. 回盲部に好発する単純性潰瘍の合併症としては穿孔が多く, クローン病と異なり瘻孔形成はまれとされており, 本症のように初発時, 再発時ともに内瘻を繰り返した報告例は少ない.

収録刊行物

  • 日消外会誌

    日消外会誌 26 1291-1295, 1993

    一般社団法人日本消化器外科学会

被引用文献 (6)*注記

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