凝固・線溶・キニン活性および血小板凝集の面からみたストレス潰瘍の病理発生と治療への示唆 (<特集>第19回日消外会総会シンポI 急性胃粘膜病変(AGML))

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タイトル別名
  • ROLE OF PLATELET AGGREGATION, BLOOD CLOTTING, FIBRYNOLYSIS AND KININ SYSTEM IN PATHOGENEIS PREVENTION OF STRESS ULCER

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抄録

ストレス潰瘍はショック,敗血症,重度火傷,外傷,大手術などに併発する重篤な合併症である.その病理発生には,粘液の変化,胆汁膵液の逆流,血管作動性アミンの遊離,エネルギー代謝障害,H^+イオンに対する胃粘膜関門の破錠など種々の要因が関与しているが,胃粘膜循環障害による阻血性変化がもっとも重要な要因であって,他の要因はその促進因子またはその続発的変化と考えられる.胃粘膜の阻血が持続すると組織壊死,潰瘍形成,出血へと病巣は進展するが,この一連の胃粘膜障害過程において,局所の凝固・線溶・キニン系の活性化が病巣の進展に関与していると推定されるが,その詳細は十分に解明されていない.我々は低温拘束ストレス負荷ラットを用いて抗凝固・線溶・キニン剤によりストレス潰瘍の発生を抑制するという興味ある結果を得たので,その病因論的意義および治療学的応用の可能性を論じてみたい.

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