35. 導管内進展より粘膜下層間質浸潤を認めた表層拡大型食道癌症例 (第40回食道色素研究会 II 表在癌における導管内食道進展の実態 : その組織像, 臨床像とは?)

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抄録

癌浸潤が比較的浅く, 広範囲に広がる表層拡大型食道癌の病巣内固有食道腺はどのような状況に有るか, (1)固有食道腺の頻度(2)進展, 浸潤の状況(3)深部浸潤への要因について検討した。98年度に外科的切除を行った表層拡大型典型例の6例を対象とした。導管, 終末部頻度(箇所/cm)は1.4〜0.1と症例により大きく異なった。導管侵襲陽性例は3例であり各症例の陽性頻度は症例1:55.8%, 症例2:8.9%, 症例3:7.4%であった。症例1では, 広範囲にm_2までの深達度であったが, 食道腺侵襲部よりの間質浸潤でsm癌の診断となった。固有食道腺導管内侵襲からの間質浸潤は, 食道粘膜癌の深部浸潤一様式となりうる可能性がある。しかし, その頻度は稀であることが推測された。

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