十二指腸潰瘍出血にて発症した続発性消化管アミロイドーシスの1例

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タイトル別名
  • A Case of Secondary Gastrointestinal Amyloidosis with Bleeding of Duodenal Ulcer

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抄録

慢性関連リウマチ(rheumatoid arthritis:以下, RAと略記)に続発し, 十二指腸潰瘍出血にて発症したAA型消化管アミロイドーシスの急性経過例を報告する.患者は25年来のRAの既往のある60歳の女性で十二指腸潰瘍出血にて入院した.RAに対するsteroid, NSAID投与を原因と考え, 数回の内視鏡的止血を施行するも奏功せずショックに陥ったため, 緊急に幽門側胃切除術を施行した.病理組織学的に切除標本の潰瘍部を中心にCongo red染色に陽性のAA型アミロイドの沈着を認めた.術後多臓器不全が進行し死亡したが, 剖検にて全身臓器にアミロイドーシスの所見を認めた.続発性アミロイドーシスの原疾患として約60%を占めるRAでは治療薬としてsteroid, NSAIDが多用されるが, その経過中に消化管潰瘍出血がみられた場合, これら薬剤性潰瘍以外に続発性アミロイドーシスに伴う潰瘍発生の可能性を念頭に置き, 診断・治療を行う必要がある.

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