胆嚢摘出術後肺合併症で発見された先天性食道気管支瘻の1切除例

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  • Congenital Esophagobronchial Fistula Complicated with Pneumonia after Cholecystectomy:Report of A Case

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抄録

先天性食道気管支瘻の1切除例を経験したので報告する.症例は56歳の男性.胆石症に対し開腹下胆嚢摘出術後に左下葉の大葉性肺炎を併発した.この原因検索として術前に認められていた中部食道の憩室より造影検査を行ったところ,左下幹気管支への瘻孔を認め,先天性食道気管支瘻と診断した.胆摘術後115日目に左下葉切除・憩室瘻管切除を施行し,以後,肺炎の併発をみていない.病理学的に食道粘膜上皮から気管粘膜上皮への移行像が認められることより,先天性食道気管支瘻,食道憩室に瘻孔を形成するBraimbridge I型と確診された.成人発症の先天性食道気管支瘻はまれな疾患であり,その約45%は食道憩室を伴うBraimbridge I型である.食道憩室を発見した場合,先天性食道気管支瘻の可能性を考慮し,憩室内を精査することにより,嚥下性肺炎を予防できると思われる.

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