Magnetic resonance cholangiopancreatography が診断に有用であった無黄疸早期胆管癌の1切除例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Anicteric Early Bile Duct Carcinoma Detected by Magnetic Resonance Cholangiopancreatography

この論文をさがす

抄録

症例は81歳の女性.主訴は腹部膨満感で,肝機能異常を近医で指摘され,当院に入院した.磁気共鳴画像を用いた膵胆道投影法(MRCP)で胆嚢結石と中下部胆管内に長径18mmの片側性の陰影欠損を認め,胆管腫瘍を疑った.内視鏡的逆行性胆道造影法(ERC)でも同様の所見を認め,内視鏡的透視下生検の結果は腺癌であった.ERC像,経口胆道鏡および胆管内超音波検査で腫瘍の表層拡大進展はないと診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本では中下部胆管に20×12mmの乳頭状の腫瘍を認め,病理組織学的には管状腺癌中分化型で,深達度は線維筋層にとどまる早期癌であった.術後経過は良好で第43病日,軽快退院した.術後1年10月の現在,再発の徴候なく健在である.中下部胆管癌が無黄疸で診断されることは少なく,文献的考察とともに胆管癌の早期診断におけるMRCPの有用性を報告した.

収録刊行物

被引用文献 (5)*注記

もっと見る

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ