ネピアグラスとトウモロコシの群落における乾物生産および個葉光合成特性

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タイトル別名
  • Characteristics of Dry Matter Production and Photosynthesis in Napier Grass and Maize
  • ネピアグラス ト トウモロコシ ノ グンラク ニ オケル カンブツ セイサン

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抄録

長草型多年生植物であるネピアグラス(Pennisetum purpureum Schmach) 群落の高位生産量を明らかにするため, 乾物重, 生長パラメータ, 群落吸光係数(K) および個葉の光合成特性について, 飼料用トウモロコシ(Zea mays L) 群落と比較解析した. 多肥, 高密度条件で栽培した両種は高い乾物生産力を示し, ネピアグラスの最大CGRは71.1gm^<-2>day^<-1>に達した. ネピアグラスの生産能力が高い原因を以下に述べる. 1) 福岡市の気象条件下では, 全生育期間をとおして栄養生長を続けるためLAIが極めて高くなり, 生育後期の最適LAIは11.77となった. 吸光係数(K)はトウモロコシよりも低く, しかも生長とともにその値は減少した. これらのことにより, ネピアグラスは, 生育期間を通して光環境が良好な群落構造を維持することが可能となり, 高位生産力を示したものと考えられた. 2) ネピアグラス上位葉の光合成速度は, トウモロコシに比較して高く, 多収性要因の一つとなっていた. さらにネピアグラス個葉は弱光適応性に優れ, 下位葉の弱光域での光合成の光利用効率は大きく, 群落光合成量の増加に貢献していることが推察された.

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