カドマルエンマコガネによる牛糞分解と微生物相変化

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タイトル別名
  • Microbial Changes in Cow Dung Decomposed by Onthophagus lenzii Harold
  • カドマルエンマコガネ ニ ヨル ギュウフン ブンカイ ト ビセイブツソウ ヘン

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抄録

カドマルエンマコガネの作用を受けた牛糞,土壌中に形成された糞球及び牛糞直下土壌の全炭素・全窒素含量と微生物相の変化について検討した.カドマルエンマコガネの作用で,牛糞塊が攪乱され,水分含量の低下が促進されること,この過程で牛糞塊の内部に土壌が混和され有機物が希釈されるため,牛糞の全炭素・全窒素含量が見かけ上大きく低下することが明らかとなった.土壌中には牛糞が混和され,特に直下表層土の全炭素・全窒素とも増加した.これは,おもに全窒素含量だけが増加した対照区表層土とは明らかに異なっていた.糞虫区残存牛糞・糞球中の微生物数も灼熱損失量や全炭素・全窒素含量の減少と同様に,土壌の混入により見かけ上,減少した.しかし,全炭素1g当りで表した場合には,試料間の菌数に大差はなかった.本実験では,カドマルエンマコガネの活動は,残存牛糞及び糞球中の糸状菌に特に促進的に作用した.土壌中の微生物数は,概して糞虫区表層土で多かったが,土壌中の細菌・放線菌は糸状菌に比べ,カドマルエンマコガネの活動に対する依存度が高かった.

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