Methamphetamine胎生期投与ラットの口腔組織における形態的変化について : 特に茸状乳頭について(大阪歯科大学大学院歯学研究科博士(歯学)学位論文内容要旨および論文審査結果要旨の公表)

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抄録

覚醒剤常用者から生まれてくるこどもの口腔組織にどのような障害が発生するかとの報告は皆無に等しい.そこで本研究は, 覚醒剤常用者を母体として出生した新生児の口腔領域の発育にどのような影響が現われるかを調査する目的で本研究に着手した.すなわち, 妊娠ラットに覚醒剤(塩酸メタンフェタミン)を出生前日まで連続的に投与し, それより生まれてくる新生児ラット(生後1週目, 3週目, 5週目)の舌乳頭の鼓策神経の単一神経終末で形成される茸状乳頭の発育変化について微細形態と結合識芯を走査電子顕微鏡で観察し, 検討した.その結果, 生後1週では, 茸状乳頭は円形のドーム型を呈し, 対照群と実験群では差は認められませんでした.しかし, 生後3週目では, CTCで実験群の茸状乳頭は対照群と比較して先端が細くなっていた.生後5週目では, 外形においても, 実験群の茸状乳頭は明らかに萎縮像が認められ, 外形全体での茸状乳頭の数の減少が認められた.また, 茸状乳頭は小さくなり, 不規則な突出がみられることなどの形態変形や味蕾等に著明な異常が現われた.以上のことにより, 覚醒剤常用者から生まれてくる新生児の口腔組織とくに舌乳頭の鼓策神経の単一神経終末で形成される茸状乳頭に形態的な障害等が生じる可能性があるという結論を得た.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 63 (2), 42-, 2000

    大阪歯科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204209284736
  • NII論文ID
    110001724179
  • DOI
    10.18905/shikaigaku.63.2_42
  • ISSN
    2189647X
    00306150
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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