マグネシア系転写型コーティング法を用いたCPチタン鋳造床

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  • CP titanium casting procedure using magnesia transferring Process of coating

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抄録

リン酸塩系埋没材は膨張量, 操作性, 経済性に優れ広く普及している埋没材であるが, CPチタン鋳造に使用すると反応層を形成するという難点があり, 不適当とされてきた. 本研究では, リン酸塩系埋没材を用いたCPチタン鋳造床に生じる反応層の改善を目的として, マグネシア系転写型コーティング法をチタン鋳造床研磨面に試作応用し, 従来の埋没方法と比較検討した. その結果, 試作コーティング材を用いた焼却鋳型には, 鋳型空洞表面にコーティング材成分が認められ, コーティング材が転写されたことが明らかとなった. CPチタン鋳造床掘り出し直後の研磨面は, コントロール試料では金属表面全体に埋没材の焼き付きが認められたが, 転写型コーティング法試料では埋没材とコーティング材の付着がほとんどなく, 型ばなれが良好であった. 鋳造床研磨面表層の金属組織観察とEPMA分析においては, コントロール試料では埋没材成分とCPチタンの反応層が認められたが, 転写型コーティング法試料では, コントロール試料のような明確な反応層は認められなかった. 以上の結果から, CPチタン鋳造にリン酸塩系埋没材を用いても, 転写型コーティング方法を応用することによって, チタン鋳造床研磨面の反応層が改善されることが明らかとなった. また, マグネシアを主成分とする試作コーティング材の有効性が示唆された.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 64 (2), 60-61, 2001

    大阪歯科学会

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参考文献 (24)*注記

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