栽培体系と休閑管理が小型土壌節足動物の生息密度に与える影響(Plant Prod. Sci. VOL5, NO3 和文要旨)

この論文をさがす

抄録

異なる保全型技術の組合せが小型土壌節足動物の生息密度に与える影響を2つの圃場試験で調査した.試験1では,耕起(慣行耕起vs.省耕起),農薬散布(慣行農薬散布vs.減農薬散布),施肥(化学肥料施用vs.堆肥施用)を組合せた区を設けた.試験2では,耕起・農薬・有機物投入量のレベルの異なる休閑管理区と,対照として作付区の計5区を設けた.トビムシ(Collembola)の生育密度は,耕起頻度が低く,農薬散布量が少なく,有機物投入量の多い場合にそれぞれ高く,これらの三つの要因効果は相加的であった.いっぽう,ダニ(Acari)の生息密度は,これらの保全型の処理でそれぞれ高い傾向にあったが,耕起頻度が低く有機物投入量が多い条件下で著しく高く,省耕起と有機物施用の効果には相乗作用のある可能性が示唆された.小型土壌節足動物の生息密度と植生(作物,雑草等),及び土壌の化学的・物理的特性の測定値との間には相関は見られなかった.耕地管理によってもたらされる生息環境の微細な変化が,小型土壌節足動物の生息に大きな影響を与えている可能性がある.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570009752001897984
  • NII論文ID
    110001725514
  • NII書誌ID
    AN00189888
  • ISSN
    00111848
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

問題の指摘

ページトップへ