開花時における高温・高湿処理が日本型水稲の稔実に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of High Temperature and High Humidity during the Flowering Period on Spikelet Fertility in Japonica Rice
  • カイカジ ニ オケル コウオン コウシツショリ ガ ニホンガタ スイトウ ノ ネンジツ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

開花時における高温 · 高湿処理が日本型水稲の稔実に及ぼす影響について品種間で比較検討した. 試験を圃場条件下で行うために, まず, 水田において気温 · 湿度を制御可能な処理装置を作製した. 本装置では, 水田圃場において比較的安定した気温 · 湿度の制御が可能であった. そこで, 気温35°Cの条件下で, 相対湿度59%, 72%及び88%の3段階の湿度処理が日本型水稲4品種 (黄金晴, ヒノヒカリ, ササニシキ, ひとめぼれ) の稔実率及び柱頭上受粉数に及ぼす影響について比較検討した. 4品種とも相対湿度88%の高湿条件下で稔実率が低下したが, その程度は品種により異なり, 黄金晴とヒノヒカリで低下程度が大きかった. また, 相対湿度が高いほど柱頭上受粉数の少ない穎花の割合が多くなる傾向がみられた. この傾向は黄金晴において特に顕著であった. さらに高湿条件下では, 気温31°C処理においても受粉に関しては35°C処理と同様な品種間差異がみられたが, 稔実率に有意な品種間差は認められなかった. 以上から, 日本型水稲の開花期高温不稔に対する湿度の影響には品種間差異があり, 高湿条件下で柱頭上受粉数の少ない穎花の割合が増加した品種ほど稔実率が大きく低下することが判明した.

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