水田および畑土壌における遊離アミノ酸の^<13>C, ^<15>Nトレーサー法による動態解析

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タイトル別名
  • Fate of Free Amino Acids in Paddy and Upland Soils by Using ^<13>C and ^<15>N Tracer Techniques
  • スイデン オヨビ ハタドジョウ ニ オケル ユウリ アミノサン ノ 13C 15N トレーサーホウ ニ ヨル ドウタイ カイセキ

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抄録

作物によるアミノ酸の直接吸収とアンモニア等への分解後の吸収等について,アスパラギン酸,セリン,グルタミン酸,アラニン,ロイシンを供試し,^<13>C, ^<15>N トレーサー法で検討した。 1)水田土壌にアミノ酸-^<15>NまたはNH_4-^<15>Nを施用し,両区の1週間後における土壌中アンモニア存在割合, 同化,脱窒,吸収の割合を比較検討したところ,それぞれそれほど相違が見られなかった。 2)分けつ盛期の水稲におけるアミノ酸の直接吸収割合は5.5〜7.7%程度と推定された。また,アンモニアへの分解後の吸収割合は42.5〜47.2%程度と考えられた。モデル式により,施用されたアミノ酸は2〜3日程度でアンモニアにほとんど分解されたと推定された。また,アミノ酸RCH(NH_2)COOHのカルボキシル基の分解はR側鎖の炭素原子数が多いほど遅くなる傾向が見られた。アミノ酸の存在量に対する吸収量の割合はアンモニアのそれとほとんど同じであると考えられた。 3)一番花開花直前のトマトにおける施用14日後のアミノ酸の直接吸収割合は0.4〜1.9%と非常に低かった。また,アンモニアへ分解後の吸収割合は16.0〜29.8%程度であった。畑に施用したアミノ酸由来の全吸収窒素量に対する直接吸収の割合は,1.3〜8.6%であり,畑での値が水田でのそれに比べてかなり低かった。

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