張掖のオアシスのコムギ畑における乱流輸送量の測定とモデル計算

書誌事項

タイトル別名
  • Measurements of Turbulent Fluxes and Model Simulation of Micrometeorology in a Wheat Field at Zhangye Oasis
  • 張掖のオアシスのコムギ畑における乱流輸送量の測定とモデル計算〔英文〕
  • チョウエキ ノ オアシス ノ コムギバタケ ニ オケル ランリュウ ユソウリョ

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抄録

1992年6月に中国の張掖のオアシスのコムギ畑において、渦相関法を用いて群落内外の二高度で水蒸気、顕熱、炭酸ガス、運動量の輸送量の同時測定を行い、エネルギーと炭酸ガス収支の日変化を得た。群落内部の中層におけるそれぞれのフラックスと比較して、群落上の水蒸気、顕熱、炭酸ガスの鉛直フラックスがはるかに大きかった。このことは、日中には繁茂した群落(LAI=5)の上層が水蒸気の活発な供給域であり、炭酸ガスの活発な吸収域であることを意味している。BIOPの期間に、オアシス周辺の暖かい砂漠やゴビから流入した強風が、群落上における上向きの水蒸気輸送を増大させ、有意な顕熱の下向き輸送をもたらす、いわゆるオアシス効果が観測された。コムギ畑で観測された乱流フラックスや関連する物理量の日変化がGoudriaanのモデル計算の結果と比較された。モデル計算は、群落上部での潜熱の大きな損失、強風時の顕熱の有意な下向き輸送などの、オアシスのコムギ群落の微気象の幾つかの主要な特徴を再現した。また、観測結果とモデル計算の比較は、植被層内外で移流による潜熱の発散、炭酸ガスの収束が生じていた可能性が高いことを示している。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 73 (5), 959-974, 1995

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (33)*注記

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