南部アフリカ半乾燥地域の降水、高度場、海水面温度の関係

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  • Relationships between Rainfall over Semi-Arid Southern Africa, Geopotential Heights, and Sea Surface Temperatures
  • Relationships between Rainfall over Sem

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抄録

南部アフリカ半乾燥地域(SASA)の夏季降水量変動と熱帯の降水帯、大気循環、海水面温度との関係を1958年以降について調べた。海水面温度データに回転経験的直交関数(R-EOF)解析を行った。年々変動をみると、エルニーニョ/南方振動に関係したR-EOFの第1モードが、南部アフリカの降水、降水帯の2指標(降水帯の重心と総降水量)との間に最も強い相関がある。<br>赤道太平洋中東部の昇温は、東部太平洋を除く全熱帯(特に南部アフリカと東部インド洋-中部太平洋)の700hPa高度の上昇と関係している。このとき、南部アフリカの700hPaの高気圧が強まるため、降水帯の重心が北上し、その総降水量が減少する。この降水帯のふるまいにより、主降水帯の南に位置するSASAの降水が減少する。一方、太平洋中東部の降温は、南部アフリカの高気圧を弱め、降水帯の重心の南下、総降水量の増加、最終的には、SASAの降水の増加をもたらす。<br>10年スケールの変動では、南大西洋に大きな偏差をもつR-EOFの第3モードが、SASAの降水、降水帯の指標との間に強い関係がある。南大西洋の昇温は、南部アフリカの700hPa高度の上昇、SASAの降水の減少をもたらす。一方、南大西洋の降温は、南部アフリカの700hPa高度の下降、その降水の増加と関係している。

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