大気中における海塩を含む黄砂粒子の形成について

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タイトル別名
  • Formation of Asian Dust-Storm Particles Mixed Internally with Sea Salt in the Atmosphere
  • Formation of Asian Dust-Storm Particles

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抄録

1991年春に北京と長崎において、個々のエアロゾル粒子を電子顕微鏡グリッド上に採集した。長距離輸送中における黄砂粒子の変質について調べるために、採集した粒子は、エネルギー分散型X線分析器を付属した電子顕微鏡を用いて分析した。黄砂粒子の輸送経路を調べるために等温位面流跡線解析を行なった。また、輸送経路中の雲の量を見積もるために気象衛星ひまわりの雲画像図を用いた。<br>海塩と内部混合した黄砂粒子(混合粒子)が、長崎で採集された試料において検出された。この混合粒子の全黄砂粒子に占める個数割合は、16-100%と広い範囲に分散していた。北京と長崎での2回の同じ黄砂現象を対象とした解析から、海塩を含む黄砂粒子の個数割合が高い場合においては、その空気塊が輸送中の海洋大気中において雲域を長く通過していることが認められた。これらの混合粒子が雲過程によって形成されたことが示唆される。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 76 (2), 275-288, 1998

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (17)*注記

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参考文献 (73)*注記

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