中・高年齢者における足関節可動域の規定因子

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書誌事項

タイトル別名
  • MUSCULOSKELETAL FACTORS INFLUENCING ANKLE JOINT RANGE OF MOTION IN THE MIDDLE-AGED AND ELDERLY INDIVIKUALS
  • 1H-MRS法によるヒト骨格筋内の脂肪量と性差,体組成,全身持久力との関係
  • 1H MRSホウ ニ ヨル ヒト コッカクキン ナイ ノ シボウリョウ ト セイサ タイ ソセイ ゼンシン ジキュウリョク ト ノ カンケイ
  • チュウ コウネンレイシャ ニ オケル ソクカンセツ カドウイキ ノ キテイ インシ
  • <SUP>1</SUP>H-MRS STUDY ON GENDER DIFFERENCES IN INTRAMUSCULAR TRIGLYCERIDES IN HUMAN SKELETAL MUSCLE AND THEIR RELATION TO BODY FAT AND ENDURANCE CAPACITY

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抄録

本研究では, 足関節可動域に筋腱複合体の伸長性や筋力, 性差, 年齢が影響を及ぼすという仮説を立て, 測定を行った.被検者は185名の健常な中・高年齢者 (女性116名, 男性69名; 48歳~86歳) であった.足関節を一定のトルクで背屈方向に回転したときの受動背屈角度を計測した.超音波法により腓腹筋内側頭の遠位筋腱移行部の移動から筋線維伸長を計測し, 関節角度変化から推定した全筋長変化からアキレス腱伸長を推定した.また, 最大随意等尺性足底屈・背屈トルク, 被検者が最大努力で背屈動作を行ったときの足関節角度 (能動背屈角度) , 下腿前部・後部の筋厚を計測した.男女とも, 受動背屈角度と下腿後部の筋厚との間には有意な負の相関関係が認められた.受動背屈角度と受動背屈時の筋線維伸長およびアキレス腱伸長との間に比例傾向がみられた.筋厚, 筋力, 筋厚当たりの筋力は男女とも年齢と負の相関関係が存在した.受動背屈角度は女性が男性よりも有意に大きく, また高齢の被検者ほど小さくなる傾向であったが, 能動背屈角度は男女差および年齢との間に有意な相関関係はみられなかった.<BR>以上の結果から, 仮説は検証され, 以下の結論が導かれた.すなわち,<BR>1) 受動背屈角度には伸長される筋群の伸長抵抗性が影響を及ぼし, これには筋量や筋腱複合体 (特に腱組織) の力学的性質が影響する.女性は男性よりも受動背屈角度が大きく, 男女とも加齢によって低下する.<BR>2) 能動背屈角度は伸長される筋群の伸長抵抗性に加えて, それを伸長する筋群の筋力が影響を及ぼす.女性の場合, 筋力発揮能力が低いが, 受動伸長組織が少ないために男性と同様の能動背屈角度を達成できる.同様の機序を通じて, 能動背屈角度には加齢の影響が少ない.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 52 (Supplement), 149-156, 2003

    一般社団法人日本体力医学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (61)*注記

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