身体活動レベルからみた重症心身障害者の体格, 体内カリウム量 (<SUP>40</SUP>K) , 身体組成及び皮下脂肪厚

書誌事項

タイトル別名
  • PHYSIQUE, BODY POTASSIUM CONTENT (<SUP>40</SUP>K), BODY COMPOSITION AND SKINFOLD THICKNESS OF SEVERELY HANDICAPPED PEOPLE CLASSIFIED ACCORDING TO PHYSICAL ACTIVITY LEVEL
  • 身体活動レベルからみた重症心身障害者の体格,体力カリウム量(40K),身体組成及び皮下脂肪厚
  • シンタイ カツドウ レベル カラ ミタ ジュウショウ シンシン ショウガイシャ

この論文をさがす

抄録

72名の重症心身障害者を, 1) 男女の性別, 2) CP, MR, DDが多数を占めるその他の群の診断名別, さらに3) 身体移動能力によって, 4段階 (I, II, III, IV) に区分し, さらに, I, II, IIIをまとめた活動群 (A-G) と, 非活動群 (N-G) に区分して以下の測定項目について検討した.その項目は, 身長, 体重を中心とする体格体格指数, 皮下脂肪厚, K重量, K/体重, さらに皮脂厚と40Kからの身体組成である.40Kからの体脂肪率の推定では, Forties, Garrow, Behnkeによる基準含有量で比較した.得られた結果の概要は次の通りである.<BR>A.男女の性別では, 対象者は平均値で男子16.4歳 (5歳~34歳に分布) , 女子17.9歳 (7歳~35歳) であった.N-Gの体格はA-Gより劣り, 72名の平均で特に体重は健常者の52%と軽かった.体重, 皮脂厚和, ローレル指数, %Fat (長嶺) で女子が高く, K/体重では男子が高かった.<BR>B.診断名別でCP群, MR群, DDが多くを占めるその他の群に区分してみるとCP群は, 皮脂厚和, カウプ指数 (BMI) , ローレル指数, %Fatなどは他の2つのグループよりも低い傾向を示したが, K重量及びK/体重では他の2つのグループよりも高い傾向を示した.<BR>C.移動別区分では, 活動群 (A-G: I, II, III群) が非活動群で寝たきり群 (N-G: IV群) よりも体重, 皮脂厚4部位和, ローレル指数, %Fat (長嶺) , LBM, LBM/身長, K重量 (9) で大であった.<BR>その平均値をグループ毎に示すと次の通りであった.<BR>A-G: 年齢16.9歳, 身長132.5cm, 体重27.9kg, %Fat (長嶺) 17.8%, %Fat (Forbes) 31.2%, LBM (長嶺) 22.7kg, K49.39, K/体重1.79g<BR>N-G: 年齢17.0歳, 身長132.7cm, 体重22.9kg, %Fat (長嶺) 15.6%, %Fat (Fortes) 35.2%, LBM (長嶺) 19.1kg, K36.5g, K/体重1.68g<BR>D.重症心身障害者の中で移動可能な活動群 (A-G) の体重, LBM, LBM/身長, K/体重が, 寝たきり群 (N-G) のそれらよりも大であった.この結果, その身体の障害のレベルによっても可能な限りの身体活動が健康・体力の向上に必要であることを最も強調したい.<BR>E.40Kからの身体組成の推定式で, その基準含有量の異なるForbes, Garrow, Behnkeの3つの式で%Fat, LBMを検討した.上記の3つの推定式で%Fatは, Fortes>Garrow>Behnkeの順で高値を示し, 皮脂厚法に比べてかなり高値を示した.さらに, A-GとN-Gでは皮脂厚法と40Kからの%Fatとは逆の傾向を示した.つまりA-Gは皮脂厚法が, 40Kよりも%Fatが大で, N-Gは逆の傾向を示した.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 41 (3), 355-367, 1992

    一般社団法人日本体力医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ