NMRによる国内一流サッカー選手の筋エネルギー代謝および筋横断面積の検討

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タイトル別名
  • STUDIES ON MUSCLE METABOLISM AND CROSS-SECTIONAL AREA IN THE ELITE JAPANESE SOCCER PLAYERS USING NMR
  • NMR ニ ヨル コクナイ イチリュウ サッカー センシュ ノ キン エネルギ

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抄録

日本における一流サッカー選手である日本代表 (JPN) , 日本オリンピック・ユース代表 (OL) , 日本サッカーリーグ1部レギュラー選手 (JSL) を用いて, 筋エネルギー代謝 (PCr/Piおよび細胞内pH) , 筋横断面積, 等速性脚筋力, 最大無酸素パワーおよび40秒最大自転車駆動能力 (40秒パワー) を測定し, 日本代表と他の群との間にこれらの能力についてどのような相違があるのかについて検討した.<BR>結果の要約は以下の通りである.<BR>1) 31P NMRで測定された安静時および運動時の筋エネルギー代謝能においては, 3群間で差は認められなかった.<BR>2) JPN群は, OL群と比較して大腿上部の筋横断面積 (P<0.05) および大腿中間部の筋横断面積 (P<0.05) において有意に高値を示した.また, JPN群はJSL群と比較して大腿上部 (P<0.01) , 大腿中間部 (P<0.05) , さらに大腿下部の筋横断面積 (P<0.01) のいずれにおいても有意に高値を示した.<BR>3) 角速度180deg/secの左脚伸展力において, JPN群はOL群と比較して有意に高値を示した (p<0.05) .また, 角速度450deg/secの左脚伸展力および屈曲力において, JPN群はJSL群と比較して有意に高値を示した (p<0.05) , さらに, 角速度450deg/secの右脚伸展力において, JPN群はJSL群と比較して有意に高値を示した (p<0.01) .<BR>4) 最大無酸素パワーの絶対値において, JPN群はOL群と比較して有意に高値を示した (p<0.05) .また, 絶対値 (p<0.05) および体重で除した相対値 (P<0.01) において, JPN群はJSL群と比較して有意に高値を示した.<BR>以上のことより, JPN群はOL群あるいはJSL群と比較して, 大腿部の筋量が大腿長の全体にわたって多いことが示された.特にこの差は, 無気的パワーの差に反映されており, OL群およびJSL群では, このような筋パワーを高めるためのトレーニングをさらに導入する必要性が示唆される.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 41 (3), 368-375, 1992

    一般社団法人日本体力医学会

被引用文献 (2)*注記

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