近交系マウスにおける筋不活動が骨萎縮に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • THE STUDY OF BONE ATROPHY ON THE TAIL-UP SUSPENSOIN IN THE INBRED STRAIN MICE
  • キンコウケイ マウス ニ オケル キン フ カツドウ ガ ホネ イシュク ニ

この論文をさがす

抄録

骨萎縮のメカニズムをそれを引き起こす遺伝的要因を解明することから探ろうと考え, 遺伝的にほぼ均一とされる近交系マウスにTail-up Suspensionを行い骨萎縮を導き系統間に見られる骨への反応の違いを観察した.実験にはNZW/N, C3H/He, DBA, CBA/N, AKR/N, Balb/C, A/J, NZB/N, C57BLの9近交系を用いた.1週間のTail-up SuspensionによってS群の体重はC群に比べて有意に低くなった.C群の骨の大きさから比較すると骨が大きかった近交系は, NZB/N, AKR/N, NZW/N, C3H/Heであった.逆に骨が小さかった近交系はDBA, A/J, Balb/C, CBA/Nであった.脛骨絶対重量はNZW/N, C3H/He, Balb/C, NZB/N, C57BLA/Jの6近交系でS群の方がC群に比べて有意に小さかった.さらにS群とC群の骨重量比から比較すると, NZW/N, C3H/He, C57BL, Balb/Cの順に萎縮率が減少し, NZB/N, AKR/N, CBA/N, が小さくDBAが最も萎縮率が小さかった.骨の発育とSuspension刺激に対する反応の現れかたの傾向とは一致しなかった.<BR>骨の発育を決定する遺伝的要因と骨萎縮をもたらす遺伝的要因とは異なることが予想できる.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 42 (4), 396-405, 1993

    一般社団法人日本体力医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ