顔面浸水止息時の心電図応答へ及ぼす性と加齢の影響

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タイトル別名
  • EFFECTS OF GENDER ADN AGE DIFFERENCE ON THE ELECTRO-CARDIOGRAPHIC RESPONSE TO APNEIC FACIAL IMMERSION
  • ガンメン シンスイ シソクジ ノ シンデンズ オウトウ エ オヨボス セイ

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抄録

健康な男女を対象として, 顔面浸水止息時の心電図応答へ及ぼす加齢の影響と男女差について検討した.得られた主な結果は以下の通りである.<BR>1.顔面浸水止息時の徐脈反応, 不整脈の発現率と種類, 不整脈発現潜時及び相対潜時について, どの水温においても, 男女間に明らかな差は認められなかった.しかし, 回復時においてHR反応は, 15℃と30℃の水温では, その時系列の一部に女性の方が男性より有意に低い値を示した.<BR>2.顔面浸水止息時の徐脈反応は, 大きな個人差も観察されたが, 加齢との問に青年群で最低下値を示す有意な二次回帰曲線を示し, 不整脈発現率は加齢とともに有意に減少する傾向を示した.また, 若年群と青年群の発現不整脈の種類の違いに発育発達上の特性が示唆されるとともに, 回復時における不整脈の発現様式に中高年群の特徴の一部が示唆された.<BR>3.顔面浸水止息時の不整脈発現潜時は, 若年群の方が青年群より有意に短かったが, 相対潜時には明らかな差はなかった.<BR>1~3の結果は止息時呼吸位の違いによる著差はなかった.<BR>これらより, 顔面浸水試験を行う場合, 判定の基準や不整脈の発現を確認するための負荷時間の決定において性別はさほど考慮の必要はないが, 年齢は詳細に考慮し, 特に中高齢者においては, 回復過程においての観察を深めなければならないことが示唆された.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 46 (5), 461-470, 1997

    一般社団法人日本体力医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (35)*注記

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