日本人男子の体脂肪率 (%Fat) 推定式

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タイトル別名
  • EQUATION FOR ESTIMATING PERCENT FAT OF JAPANESE MEN
  • ニホンジン ダンシ ノ タイシボウリツ Fat スイテイシキ

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抄録

本研究は, 7~77歳までの日本人男子98名を対象に体脂肪率 (%Fat) を推定するための体水分量推定式を検討している.<BR>結果は次のように要約できる.<BR>1) 体水分量とNagamine and Suzukiの式から求めた成人男子71名の体脂肪量と体脂肪率は, 平均値でそれぞれ5.9kg, 93%の差があり, いずれも体水分量から求めた%Fatの方が有意に高い値を示した.<BR>2) 両%Fat間には高い相関が認められたが, 71名全被験者の体水分量からの%Fatはidentity lineの上方に位置し, 傾向線はidentity lineの約9%上方でほぼ平行していた.<BR>3) 両%Fatの差は体脂肪総量, 皮下脂肪厚及び皮下脂肪量とは高い相関を示さず, 体内深部脂肪量との間に高い相関を示した.<BR>4) 形態測定値42変数と体水分量との間で高い相関係数を示したのは体表面積の0.929であった.<BR>5) 体水分量と形態測定値42変数とのstep-wise重回帰分析の結果から, 形態測定値8変数及び6変数を含み重相関係数, 体水分の推定誤差及び%Fatの推定誤差がともにR=0.96, 1.59l, 3.6%である2式 (D) , (E) が得られた.<BR>6) この2式による各被験者の体水分量推定値の実験値に対する誤差平均は+0.007と+0.228で, 標準誤差はそれぞれ4.411と4.578%であった.<BR>7) これらの推定式は適応範囲をみるため, 56名の男女児童に適用された.その結果, 2式 (D) , (E) の推定誤差は男子 (3.85l) , 女子 (5.35l) ともに大きく, 誤差平均, 標準誤差にもかなり大きな値を示した.<BR>8) 男子児童に体表面積を変数とした式 (F) を適用した場合は成人男子とほぼ同等の推定誤差 (2.24l) , 誤差平均 (-0.722%) 及び標準誤差 (8.44%) が得られた.<BR>9) 7歳~77歳までの日本人男子98名の体水分量 (l) を体表面積 (cm2) から推定する式として, TBW, l=0.0027 (BSA, cm2) -11.1210; S.E.E.=1.92l, R=0.963, M.E=-0.246%, S.E=6.187%, の式が得られた.<BR>10) この式によって求められた体水分量からの%Fatの推定誤差は4.55%であった.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 34 (5), 259-268, 1985

    一般社団法人日本体力医学会

被引用文献 (3)*注記

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