三角図形法の変法による運動選手の体型分類

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タイトル別名
  • SOMATOTYPING OF ATHLETES BY THE MODIFIED TRIANGULAR SCHEME METHOD
  • サンカク ズケイホウ ノ ヘンポウ ニ ヨル ウンドウ センシュ ノ タイケイ ブンルイ

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抄録

1.著者独自の三角図形法の変法 (体型を, 骨格, 筋肉, および脂肪の3方向の座標軸で結ぶことによって, 正三角形, 二等辺三角形, 不等辺三角形などの図形で表現し, さらに, それぞれの図形を, 発達によって+1.5σ以上, 土1.5σ以内, -1.5σ以下の3段階に区分した) により, オリンピック候補選手293名の体型を分類した結果, つぎのことが明らかになった。<BR>2.柔道の軽, 中, , 重量級 (男子) , 陸上の投てき (男子) , フェシングのフルーレ (女子) は3軸とも均等に平均値を上回り, また, 陸上の短距離と跳躍 (男子) , フェンシングのフルーレ (男子) , バレー・ボール (男子) は均等に平均値を下回って, いずれもほぼ正三角を描いた。<BR>3.陸上の中距離と障害 (女子) は, 2軸が均衡のとれた発達を示して, 二等辺三角形を表わした。<BR>4.陸上の短距離 (女子) , ウエイト・リフティングの軽・中量級 (男子) は, 2軸が不均衡に平均値を上回り, 不等辺三角形を形づくった。<BR>5.フィギュア・スケート (男子) , 陸上の長距離とマラソン (男子) , 投てき (女子) は, 1軸 (骨格) が平均値を上回り, 2軸 (筋肉と脂肪) が不均等に平均値を下回りて.不等辺三角形を示した。<BR>6.フィギュア・スケート競技選手の体型を, 従来とほぼ同じ要領の三角図形法で求めた小川ら24) は, 同競技の選手をectomorphy (外胚葉型) に位置づけて, 著者と相似の結論を出している。つまり, ectomorphyはCuretonの体格分類によると, 彼の検査対象者のC (below average) , D (poor) クラスに包含される。フィギュア・スケート選手に対する著者の判定結果も, 骨格のみはほぼ平均値を上回るが, 筋肉と脂肪は平均値以下を示すことによって, 不等辺三角形を描いており, Curetonの手法による体型とほぼ同じ判断を下しているものとみてよかろう。<BR>また, MorhousとRasch15) も, 同競技選手を, 男子は短身, 軽量型として, サッカーのフォワード, タンブリング, 競馬の騎手と同じカテゴリーに取扱っており, 女子は短身, 中量形として, 同じ女子の水泳・飛込み, スキーなどの選手と同じ範疇に入れて, おおむね著者の考え方を裏付けている。

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 21 (1), 49-65, 1972

    一般社団法人日本体力医学会

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