刺激条件の違いが手固有筋の皮膚反射に及ぼす影響

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タイトル別名
  • EFFECTS OF ALTERING PARAMETERS FOR ELECTRICAL STIMULATION ON CUTANEOUS REFLEXES IN HUMAN INTRINSIC HAND MUSCLE
  • シゲキ ジョウケン ノ チガイ ガ テ コユウキン ノ ヒフ ハンシャ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

1. 健常被験者7名を対象として, 刺激条件, 特に刺激パルス数 (1, 2, 3, 5発), 刺激時間幅 (0.1, 0.5, 1 ms) および刺激間隔 (固定 ; 1, 2, 3 Hz, ランダム ; 0.7~2 Hz) に着目して皮膚反射を第一背側骨筋に誘発し, 短 (I1, ピーク潜時~45~60 ms), 中 (E2~60~90 ms) および長潜時 (I2, ~90~120 ms ; E3, ~120~180 ms) 反射効果の変化を調べた.<br>2. 2元配置分散分析の結果, 刺激パルス数の増加に伴うI1, I2およびE3振幅の増大は有意であることが明らかになった. (全てp<0.001). 一方, E2では刺激パルス数に依存した増大は認められなかった (p>0.05). また, E2とI2では刺激指に依存して各皮膚反射成分の変化量が有意に異なることが明らかになった (両者ともにp>0.01).<br>3. I1, E2, I2およびE3において刺激の持続時間に依存した変化は認められなかった. また, 刺激間隔や提示方法の違いによる有意な変化も認められなかった.<br>4. これらの結果は, 各反射成分を中継する介在ニューロンの試験刺激の時間的加重に対する感受性が異なること, ならびに同一の電気刺激強度を用いた場合には試験刺激の時間幅が異なってもほぼ同一の皮膚求心性線維を賦活している可能性を示唆する.<br>5. 実践応用として, 刺激パルス数2から5発とし, 3 Hzの刺激間隔で痛覚をともなわない電気刺激を用いることにより, 筋疲労による潜在的な影響を低減しつつ, 皮膚反射を効率的に誘発することが可能と考えられた.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 54 (4), 315-323, 2005

    一般社団法人日本体力医学会

参考文献 (49)*注記

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