先天性幽門閉鎖症の1治験例

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  • Congenital Pyloric Atresia : A Case Report

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抄録

症例は在胎36週,体重1834g で出生した生後2日の男児である.生後6時間より経口摂取を開始したが非胆汁性嘔吐が出現した.腹部単純 X 線上,拡張した胃内ガス像と小さな十二指腸に相当するガス像のみを認めたため,先天性十二指腸閉鎖症の術前診断で生後3日めに開腹した.術中所見より先天性幽門閉鎖症と診断したが,患児が低出生体重児であったことと閉鎖形態が断定できなかったことから胃空腸側々吻合術を施行した.その後,患児の体重が3300g を超えた生後2ヵ月時に,閉鎖部切除,胃十二指腸端々吻合術を施行した.病理組織学的には厚い隔壁内に筋層を有し膜様型と大差なかったが,隔壁の厚さが2cmにおよぶ点からは膜様閉鎖というより棒状閉鎖として新たに分類されるべきと思われた.

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