マス・スクリーニング例を中心とした乳児神経芽腫の免疫組織学的特徴

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  • Immunohistochernical Studies of Neuroblastoma in Infants

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抄録

マスースクリーニング(MaS)で発見された神経芽腫の予後良好因子を解明するため,腫瘍の細胞分化に関連した特性を免疫組織学的手法を用いて検索した.1985-1994年の10年間に得られた神経芽腫98例(乳児g;72例,1歳以上群;26例)を対象とし,腫瘍細胞の分化成熟を示すマーカーに対する抗体を用いた免疫染色法および,アポトーシスの検索にIn Situ End-Labelling (ISEL)法を用いて両群における細胞特性を比較した.免疫染色の結果, S-100蛋白, Neural Cell Adhesion Molecule (NCAM) および Micrtubule-Associated Protein 2 (MAP-2)の陽性率は乳児群腫瘍で有意に高かった(ρ=0.01, p=0.03.p=0.0002). Vasoactive Intestinal Polypeptide (VIP)の陽性率は両群間で有意差を認めなかった.1歳以上詳におけるS-100蛋白とMAP-2陰性例の予後は陽性例に比べ有意に不良であったfp=0.003, p=0.0002).また,乳児群にもMAP-2陰性例が9例(12.5%)存在したことが確認された. ISEL法陽性細胞の発現率は両群問で有意差を認めなかった.以上の結果, 1) MAP-2陽性は腫瘍細胞の分化成熟を示唆し,その細胞での発現は予後良好を示す要因の1つであると結論した.2)予後良好とされる乳児群中にもMAP-2陰性となる腫瘍の存在か確認された. 3) ISEL法では,乳児群腫瘍の自然退縮とアポトーシスの発現とを関連づけることはできなかった,

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