加齢に伴い組織学的に成熟化の変化を示した Nesidioblastosis の1例

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  • Histological Changes of Nesidioblastosis With Aging : A Case Report

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抄録

Nesidioblastosis (NB)におけるnatural history とその組織所見の変化の関連をみるために,生後2ヵ月と8歳時に膵切除を行ったNB症例の組織学的検討を行った.症例は出生前に Beckwith-Wiedemann 症候群と診断された女児で,出生直後より高インシユリン血症を伴った低血糖症を認めた.生後2ヵ月目に開腹術を行ったところ,膵体部に3cm大の腫瘤を認めたため focal type のNBと判断し,膵体尾部切除を行ったか,断端に腫瘤が残存した、組織学的には切除膵全体にNBを認めdiffuse typeと診断された.低血糖症は加齢とともに改善したが,依然サンドスタチンの投与を必要としたため,その副作用を予防する目的で8歳時に膵亜全摘術を行った.再切除標本の組織所見をみると初回時の組織所見に比べ正常の膵腺房組織が多く,その間に膵内分泌細胞が散在しており,一部ではラ氏島の形成も認めた.以上より加齢によりNBはmaturationするものと考えられた.

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