学童期に発症した胆嚢捻転症の1例

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  • Torsion of the Gallbladder in a School-aged Boy

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抄録

今回,我々は,学童期には,極めてまれな胆嚢捻転症の1例を経験したので報告する.症例は,7歳の男児.平成12年9月27日頃より,感冒症状を訴え,9月28日心窩部痛を,さらに嘔吐・腹痛を訴え,近医入院となった.翌9月29日,症状が増強し,腹部xpで,麻痺性イレウス像を認めたため,同日,精査目的で,当科転院となった.血液検査では,ALK-P,LDHの軽度上昇,軽度の炎症所見を認めるのみであった.腹部超音波・腹部CTで,壁肥厚を伴う著明に腫大した胆嚢を認めた.明らかな結石,周囲の炎症性変化を伴わなかった.以上より,胆嚢出口部の機械的閉塞と考え,胆嚢捻転症が疑われた.同日緊急手術を行った.胆嚢は著明に腫大し,暗赤色を呈し壊死に陥っていた.胆嚢床は,約3.5cmと短く,胆嚢・胆嚢管・胆嚢動脈は,同部を軸に時計方向に約90度軸捻転していた.胆嚢捻転症と診断し,胆嚢摘出術を施行した.術後経過は良好で,術後9日目に退院した.

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