IMMUNOREGULATORY ACTIVITY IN HUMAN DECIDUA :

NDLデジタルコレクション 被引用文献1件
  • KITANO,Yoichiro
    Department of Obstetrics and Gynecology, Kumamoto University Medical School
  • FUJISAKI,Shunichi
    Department of Obstetrics and Gynecology, Kumamoto University Medical School
  • NAKAMURA,Naoki
    Department of Obstetrics and Gynecology, Kumamoto University Medical School
  • OKAMURA,Hitoshi
    Department of Obstetrics and Gynecology, Kumamoto University Medical School

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抄録

ヒトにおける妊娠は, 免疫学的にはallograftが同種異系の個体に生着すると言うparadoxicalな現象と考えられる. この原因を明らかにするために, 母児間における母体側接点を構成する脱落膜について免疫学的検討を加え, 以下の成績を得た. (1)妊娠初期(8～13週)脱落膜の組織抽出液(D Ext)は, 増殖期子宮内膜にくらべmitogen刺激によるリンパ球の増殖反応を有意に(p<0.001)抑制した. (2)この抑制作用はT cell mitogenesisに対して著明であり, (3)D ExtのSephadex G-200 column chromatographyを用いて分析した抑制分画は, IgG領域に一致する免疫電気泳動像を示し, (4)抗ヒトIgGウサギ血清をリガンドとするaffinity chromatographyで溶出すると失活することから, 抑性物質とIgGとの密接な関連が考えられた. 以上の所見は, T細胞に作用し, 細胞性免疫を抑制的に調節する物質が, 着床周辺期の子宮内膜に発現することを示唆すると思われる.

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