本邦における卵巣癌の予後因子に関する検討 : 多施設による共同研究

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  • A Group Study on Prognosis of Ovarian Cancer in Japan

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抄録

22施設の協力により, 1980年1月から1987年12月の間に治療を受けた卵巣癌1,185例を対象として調査検討を行つた. その結果, (1) 初診時の臨床期別分布についてみると, III期症例が最も多く次いでI期症例が多かつたが, 組織型でみると最も頻度の高かつた漿液性腺癌ではIII期が多く, また未分化癌と分類不能癌ではIII, IV期症例が多かつた. (2) 予後因子の検討において, 臨床期, 組織型および初回手術時の残存腫瘍径が重要な因子となつていることが認められた. (3) 組織形態学的分化度と予後との関連性が認められたが, それぞれの群別の臨床期の異なりが大きく関与しているものと考えられた. (4) 患者の年齢層別の予後は, 若年層に向けてよい傾向がみられた. (5) 治療年度別にみると, 最近においては予後の好転がみられており, それには化学療法(特にCDDP)の効果が寄与しているものと推察された.

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