腹腔内出血を伴った新生児血友病 A の1例

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タイトル別名
  • A Case of Intraperitoneal Hemorrhage in Neonate with Hemophilia A

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抄録

血友病は代表的な先天性凝固因子欠乏症であるが,多くの場合乳幼児期以降に出血症状を呈し,新生児期の発症は稀であるといわれている. 今回われわれは新生児期に腹腔内出血にて発症した血友病 A の1例を経験した. 症例は日齢2の男児,貧血,黄疸を主訴に来院した. 来院時軽度の腹部膨満,左鼠径部から陰嚢にかけての皮膚の暗青色の変化を認めた. X線検査上左鎖骨骨折,腹水の貯留が認められたため,分娩時外傷による腹腔内出血の診断にて同日手術を施行した. 手術所見では出血源は肝下面あるいは大網と考えられた. 術後創部からの出血が持続したため凝固機能を精査したところ,第 VIII 因子は0.6% と著明に低下しており,血友病 A と診断した. 本邦においては1961年以降自験例も含め67例の新生児期発症の血友病 A の報告がある. 本邦報告例について検討を加え報告した.

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参考文献 (29)*注記

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