自己血輸血を施行した両側副腎褐色細胞腫の 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Bilateral Adrenal Pheochromocytomas Treated With Predeposited Autologous Blood Transfusion

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抄録

小児の副腎褐色細胞腫は全褐色細胞腫の5∿6%を占めるまれな疾患である.今回, われわれは高血圧脳症を来した両側副腎褐色細胞腫の手術に際し, 自己血輸血を施行し良好な結果を得たので報告する.症例は11歳男児, 頭痛, 視力障害, 痙攣にて入院, 入院後の血圧200/100mmHg, 尿中ならびに血中カテコラミン値が高値を示し, 画像診断にて両側副腎腫瘍を認めた.術前にα, β遮断薬にて血圧をコントロールしつつ, 鉄剤とヒトエリスロポエチン製剤を併用し, 1カ月かけて自己血を1000ml確保した.腫瘍摘出時の低血圧に対して術中に自己血を使用することにより, 速やかに血圧は回復した.一方, 自己血内の高カテコラミンが循環血液不足量を修飾したとおもわれ, 術後に低血圧をきたし再輸血を必要とした.本症の自己血輸血に際しては, 術後の低血圧の発生に注意が必要と考えられた.

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参考文献 (16)*注記

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