閉経後症例におけるホルモン細胞診と骨密度との相関

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  • Study on the Relationship between Hormonal Cytology and Bone Mineral Density in Postmenopausal Women

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抄録

閉経後骨粗髭症はエストロゲン減少が発症要因の一つとされており, エストロゲン活性を推測する簡便な方法としてホルモン細胞診がある. 二重エネルギーX線吸収法(QDR-1000/W又はQDR-2000)にて測定した骨密度とホルモン細胞診との相関につき自然閉経症例181例(47~79歳)を対象に検討した. ホルモン細胞診は子宮頚癌検診目的で子宮頚部より採取した細胞診検体から eosinophilic index(EI), karyopyknoticindex(KPI), maturationvalue(MV : 表層細胞×1+中層細胞×0.5+傍基底細胞×0)を算出した. Estradiol(E_2)との相関に関しても併せて検討した. 1. 骨密度とEI (r=0.17, P<0.05), KPI (r=0.19, P<0.05), MV (r=0.37, p<0.005) との間に正相関を認めたが, E_2とホルモン細胞診とは相関を認めなかった. 2. 対象を骨密度正常群 (骨密度≧0.8g/cm^2, n=94), 骨密度低下群 (骨密度<0.8g/cm^2, n=87)に分け, 2群間で比較すると, ホルモン細胞診は骨密度低下群が有意に低値を示した. 3. Receiver operating characteristic curveによる検討で, ホルモン細胞診を骨量減少のスクリーニング検査として用いる場合 MV 30が cutoff値として優れていることが判明し, MV<30を骨量減少高危険群と設定すると全症例ではsensitivity(ST)0.76, specificity(SP)0.65, 閉経後5年以内(n=42)ではST 0.85, SP 0.90で骨密度低下群をスクリーニング可能であった. 自然閉経症例においては, ホルモン細胞診は骨密度と相関を示し, ホルモン細胞診による骨量減少高危険群の設定により, 子宮頚癌検診受診者を対象としたホルモン細胞診を用いた骨量減少のスクリーニングの可能性が示唆された.

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