極低出生体重児の周産期因子と予後との関連

• 加藤,恵美

  北海道大学医学部産婦人科学教室

• 山田,秀人

  北海道大学医学部産婦人科学教室

• 花谷,馨

  市立札幌病院産婦人科

• 松本,憲則

  北海道大学医学部産婦人科学教室

• 服部,司

  市立札幌病院未熟児センター

• 藤本,征一郎

  北海道大学医学部産婦人科学教室

書誌事項

タイトル別名

• The Relation between Delivery Method and Prognosis for Very Low Birth Weight Infants

抄録

直接的に児の予後と関連性をもつ可能性が高い母体合併症や IUGR又は大奇形などの症例を除いた極低出生体重児症例に対し, 周産期因子と児の予後 (新生児又は乳児死亡, major handicapの有無)との関連を検討することを本研究の目的とした. 今回われわれは, 上記の症例を除いた単胎の極低出生体重児128例 (在胎週数 (mean±SD) 27.1±2.0週, 出生体重 (mean±SD) 1,041.1±264.lg)を対象に後方視的に検討し, 以下の結果を得た. 1) 予後不良群は予後良好群に比較して, 胎位異常, Apgar score (APS)低値, Respiratory distress syndrome (RDS)の割合が有意に高かった. fetal distressの発症と臍帯動脈血pH低値との間に関連を認めたが, これらと児の予後との間には有意な関連を認めなかった. 予後良好群に, 有意にPROM症例が多かったが, 感染徴候(白血球数, CRP値の上昇)と予後との関連は認められなかった. 2) 胎位および分娩様式と児の予後との検討では, 頭位経膣は殿位経腔に比較して有意に予後良好であった. 頭位と殿位2群間の比較でも頭位は有意に予後良好であった. また, 帝王切開を施行された胎位異常の場合, 4cm以上の子宮口開大症例に予後不良の割合が多かった. 以上のことから, 今回の検討では極低出生体重児の頭位の場合, 経腔分娩の予後は良好であることを確認した.

収録刊行物

• 日本産科婦人科學會雜誌

  日本産科婦人科學會雜誌 47 (5), 465-472, 1995-05-01

  日本産科婦人科学会

キーワード

• VLBW (very low birth weight) infant
• Prognosis
• Delivery method

詳細情報

• CRID: 1540291245359158272
• NII論文ID: 110002111269
• NII書誌ID: AN00190060
• Web Site: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10698534
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1995240793
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • NDL-Digital
  • CiNii Articles