低酸素状態におけるFHR variabilityの動態に関する研究 : 日本シバヤギ胎仔chronic preparation法を用いて

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  • The FHR Variability of "Shiba Goats" in Acute Hypoxic State

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抄録

日本シバヤギ胎仔を用いたchronicpreparation法によって,低酸素状態に於けるfetal heartrate variabilltyの経時的な変化を検討した.variabilityは0.1msec精度のpeakdetectorを使用し,chronicallyに胎仔に装着された心電電極よりの直接誘導心電信号のR-R intewalを検出し,STV=1/(256)Σ^^256__i=1|T_<i+1>-T_i|, LTV=√<1/(256)Σ^^256__i=1(T_i-T)^2>(Ti=R-Rinterval)と定義して,マイクロコンピュータを用いて算出した.胎仔低酸素状態は,母体に一定酸素濃度ガスを吸入させることにより作製し,胎仔状況は胎仔頸動脈血ガス分析値により評価した.母体に8~10%の低酸素ガスを吸入させた軽度の低酸素状態では,STV及びLTVは共に低酸素負荷開始後10~20分で増加し,30~40分で減少したが,対照よりは高値に止まった.一方母体に4~6%の低酸素ガスを吸入させた高度の低酸素状況では,STV及びLTVは共に10~20分で増加し,30~40分では対照より低値まで減少した.STV及びLTVが対照より低値となった高度低酸素状態30~40分では,胎仔頸動脈血PO。は10~20分と差はなかったが,pHとBEは有意な低下を示した.胎仔頸動脈逝PO_2とSTV,LTVの間には,pH及びBEが低値を示す高度の低酸素状態30~40分を除くと,有意な負の相関があり,PO_2が低い程STV,LTVは増加する傾向が認められた.以上のことから,variabilityはSTV,LTV共,急性の低酸素状態では増加し,低酸素状態の持続によって代謝性アシドーシスが進行して初めて減少してくることが示唆された.

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