膀胱尿管逆流症の同胞における泌尿器科学的疾患の検討 : 同胞例スクリーニング検査から

書誌事項

タイトル別名
  • Vesicoureteral Reflux and Urinary Tract Anomalies in Siblings of Children With Reflux

この論文をさがす

抄録

【目的】膀胱尿管逆流症(以下, VUR)は, 早期診断早期治療が望まれている.最近, VURの家族, 特に同胞に対する検索が勧められている.我々も, 小児VUR症例の同胞に対する検索を行う必要があると考えた.【方法】当科で1989年6月から1998年5月の9年間に経験したVUR症例につき検討した.1994年頃からVUR症例の同胞に対し同胞例の検索を勧め, 同意が得られたVUR 23例の同胞30例を同胞例スクリーニング検査(以下, 同胞例検査)の対象とした.原則として, 検尿, 超音波検査による同胞例検査を施行し, この検査にて異常が有れば, 排尿時膀胱尿道造影(MCUG)検査等を施行した.【結果】同胞例検査を施行したVUR症例の同胞30例中, VUR 4例(約13%), 尿管狭窄症1例, 尿管膀胱移行部狭窄症1例の合わせて6例(20%)の泌尿器科学的疾患が診断された.この間経験した同胞例検査非対象VUR症例は33例であり, うち2例は尿路感染症にて発症した同胞であった.従って, 同胞例検査下診断VUR 4例を合わせ, この間に経験したVUR症例総数は60例であった.又, VUR同胞例は, 同胞例検査施行8例(4組)と同胞例検査非施行2例(1組)を合わせ10例(5組)であった.【結論】VUR同胞例検査にて, VUR並びにVUR以外の泌尿器科学的疾患も診断された事から, VURに限らず水腎症等の小児泌尿哭科学的疾患では, 家族同胞発生に対して検尿, 超音波検査によるスクリーニング検査を施行する事は有意義であると考えられた.

収録刊行物

参考文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ