小児腸間膜線維腫症の 1 例

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  • Mesenteric Fibromatosis in a 13-Year-Old Girl

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抄録

腹膜炎症状で発症した腸間膜線維腫症の13歳女児例を経験した.緊急開腹手術の結果, S状結腸間膜に超手拳大の弾性硬の腫瘍が存在し, S状結腸を巻き込んでいた.さらに, 腫瘍に連続した後腹膜への膿瘍形成が認められた.腫瘤は割面淡黄色で充実性, 弾性硬の腫瘤で, 中心部からS状結腸と, 膿瘍腔へ交通が認められた.病理学的検査にて腸間膜線維腫症と診断された.S状結腸合併切除を行い, 直腸は盲端閉鎖し人工肛門を造設した.8ヵ月後に人工肛門を閉鎖し, 現在5年を経過しているが再発所見は認めない.本症は, Gardner症候群や, 大腸腺腫症に合併することが知られているが, 稀な疾患であり, 特徴として悪性所見は欠くものの周囲に浸潤性に発育し, 再発しやすいため, 広範囲完全摘徐と長期経過観察が必要である.

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