正常プロラクチン血性月経異常に対するブロモクリプチンの適応選択ならびに治療成績 : ことにクロミフェンとの比較に関する多施設治験成績

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  • Indication and Effect of Bromocriptine in Euprolactinemic Amenorrhea : Comparison with Clomiphene

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抄録

血中PRLが正常レベルの月経異常でも排卵誘発,妊娠成立にブロモクリプチン(以下Br)が有効の場合があることが知られている.本研究はクロミッドとの使い分けを知る目的で,軽症の正常PRL性排卵障害(無排卵周期症,第一度無月経,稀発月経,黄体機能不全)53例より,I)クロミッドで排郵誘発無効例21例,II)クロミッドで排卵するが妊娠しない挙児希望例23例について,Brの排卵誘発,妊娠成立への効果および内分泌学的検討を行って下記の結果を得た.I)Br単独療法で21例中8例(38.1%)が排卵,このうち妊娠希望者13例中3例(23.1%)が妊娠した.Br単独で排卵しない症例にクロミッドを併用投与したものは8例あり,そのうち3例(37.5%)が排卵,挙児希望4例中2例が妊娠した.II)クロミッド単独で排卵した31例中妊娠希望者23例に,Brを単独投与し7例(30.4%)が妊娠した.この単独投与で妊娠しないうちの12例にクロミッドとの併用投与を行い2例に妊娠を認めた.TRH負荷テスト(250μg,im)においては投与30分後の血中PRLの増加量はBr単独排卵誘発有効群と無効群で有意差はなかったが,PRL前値は有効群で有意(p<0.05)に高かった.以上よりBr療法はクロフェミン併用療法も含め,クロミッド無効の無排卵症および不妊症治療に有用である.そしてPRL基礎値が正常範囲,やや高めの症例がよい適応と考えられる.

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