小児におけるラベプラゾールナトリウムの使用経験 : 24時間pHモニタリングを用いた効果判定

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タイトル別名
  • Effects of Proton Pump Inhibitor and Sodium Rabeprazole in the Treatment of Three Children With GERD or Duodenal Ulcer, Estimated by 24 hr pH Monitoring
  • ショウニ ニ オケル ラベプラゾール ナトリウム ノ シヨウ ケイケン 24ジカン pH モニタリング オ モチイタ コウカ ハンテイ

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抄録

【目的】プロトンポンプインヒビター(PPI)は強力な胃酸分泌抑制作用により胃十二指腸潰瘍治療薬として広く成人に用いられるが, 小児への投与に関しては十分な検討がなされていない.今回, 小児3例にラベプラゾールを使用する経験を得, その酸分泌抑制効果につき胃内24時間pHモニタリングから検討した.【方法】胃内pH測定は, ラベプラゾール開始前後及び投与量変更後3日から7日の間に施行した.胃内pHが4未満である時間の総和(pH<4 holding time)を算出し, 次の計算式により抑制率を求めた.抑制率(%)=(1-薬剤投与時のpH<4 holding time/薬剤非投与時のpH<4 holding time)×100【結果】GERDの乳児2例では, 0.3 mg/kg/day投与でpH<4 holding timeは症例1では98.8%, 症例3では72.1%(抑制率11.1%)でともに酸分泌抑制効果不十分であった.次に0.5mg/kg/day投与でpH<4 holding timeは症例3で5.6%(抑制率93.1%)と十分な酸分泌抑制効果を得たものの, 症例1は83.1%と効果なくNissenの噴門再形成術を施行した.14歳女児で幽門狭窄を伴う十二指腸潰瘍に対し10 mg/day(開始時体重35 kgで0.29 mg/kg/day)でpH<4 holding time 39.3%(抑制率60.7%), 20 mg/day(投与量変更時体重37 kgで0.53 mg/kg/day)で1.2%(抑制率98.8%)であった.3症例において重篤な副作用の発現は認められなかった.【結論】今回の検討では, PPIの作用発現には小児においては個体差が大きく, 24時間pHモニタリングを用いた評価が効果判定に不可欠と考えられた.

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