超低出生体重児消化管穿孔の周術期管理 : 腹腔ドレナージの意義

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  • Perioperative Control of an Intestinal Perforation in Extremely-Low-Birth-Weight Infants : Significance of Peritoneal Drainage

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抄録

【目的】超低出生体重児消化管穿孔(以下本症)の治療戦略における腹腔ドレナージの意義について検討した.【方法】12例の本症児にベッドサイドでの腹腔ドレナージを施行, ドレナージ前後の動脈血pH値, BE値, 血小板数, 臨床像を生存例と死亡例で比較検討した.【結果】6例が生存, 6例が死亡した.生存例の動脈血pH, 血小板数はドレナージ後に有意に回復し, 3例では小腸外瘻造設手術が可能となり, 3例は穿孔部が自然閉鎖した.死亡例は生存例と比べると, 出生体重532±160g(生存例745±166g), 在胎週数24週2日±12日(生存例25週3日±9日)と少なく, ドレナージ日齢(診断日齢)は20±11生日(生存例7±2生日)と遅い傾向にあった.また検査値, 全身状態とも悪く, ドレナージによっても好転をみせなかった.【結論】生存例の経過からは, 最小限の手術侵襲で起炎物質を腹腔外へ誘導し, systemic inflammatory response syndrome (SIRS)を回避する手段としての腹腔ドレナージの位置付けは当を得たものと思われた.死亡例は診断時にはすでに敗血症, SIRSを併発しており, その改善には血奨交換, 血液吸着, 血液濾過透析による血液浄化が必要と思われた.しかしこれらの血液浄化法が超低出生体重児に応用されるにはblood accessの工夫, 回路やカラムの小容量化など, まだいくつかの解決されるべき問題が残っている.

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