冷え性の病態に関する統計学的考察

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  • Cold Constitution : AnalySis of the Questionnaire

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抄録

冷え性の病態に関する基礎的データの収集と,自律神経失調症との関連の解明を目的とし,冷え性に関する質問紙とConell Medical Index(CMI)を用いて調査を行い統計学的考察を加えた.対象は318名の女性で,年齢は20から51歳,平均26.4±6.1歳であった.結果は以下のとおりであった.(1) 対象の38.7%が冷え性を感じており,更年期のみならず若年者にも冷え性は認められた.(2) 発症の平均年齢は19.3±5.1歳であり,思春期後期の発症が多かった.(3) 冷えを多く感じている身体部位は足,ついで手であった.(4) 冬もしくは就寝前に冷えは増強した.天候や身体状況,とくに寒冷刺激により冷えが変化することが特徴的であった.(5) 冷え性の多くは生活上の工夫をしていたが治療を受けたものはわずかであった.(6) 冷え性のものには他の多くの身体症状を認め,CMIの得点も高かった.これより心因の関与の少ない本態性の冷え性は,自律神経失調症の部分症状としてとらえ得ると考えられた.(7) 冷え性のものの母親も多くは冷え性であり,冷え性の発症に関して遺伝的要因の関与が示唆された.

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