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Abstract
母体と胎児の中間に存在する胎盤が母児間の物質交換の場であり, 生物学的に肝, 腎, 肺, 消化器, 内分泌腺の各機能を果していることは多くの研究者により既に報告されている. なかでも足立等 (1967) は胎盤中にアンモニア代謝に関与する酵素, グルタミナーゼ, グルタミンアミノ基転移酵素, グルタミン合成酵素, グルタミン酸脱水素酵素が存在することを証明し, 胎盤でのアンモニア生成とその処理機構を酵素学的な面から詳細に報告した. 本研究は胎盤でのこれらの酵素の産生物, すなわちグルタミン酸, グルタミン, アンモニアに加えて尿素を母体肘静脈血, 臍帯動脈血, 臍帯静脈血中にて定量して先述の実験と逆の面から胎盤でのアンモニア処理機構を解明せんと試みたものである. その結果, 胎盤, 胎児の発育の途上に発生したアンモニアは妊娠早期には母体血液によつて排出され, 妊娠3ヶ月頃になるとその大部分が尿素として解毒排出されるが, 一部はグルタミン, グルタミン酸代謝へのアミノ基供与体として再利用され, この様にして一定濃度範囲内では胎盤はアンモニアの代謝を中心としてアミノ酸の同化と異化の切り換えを行う一つの調節因子としての役目を果しているものと推論した.
Journal
- Acta Obstetrica et Gynaecologica Japonica [List of Volumes]
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Acta Obstetrica et Gynaecologica Japonica 24(2), 155-164, 1972-02-01 [Table of Contents]
Japan Society of Obstetrics and Gynecology (JSOG)