Indomethacin及びProstaglandin E_2,Prostaglandin F_2α がマウス胞胚のHatcingに与える影響

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  • Effects of Indomethacin, Prostaglandin E_2 and Prostaglandin F_2α on Hatcing of Mouse Blastocysts

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抄録

種々の哺乳動物の胞胚におけるprostaglandins(PGs)の生合成や代謝について検討されているが未だそのPGの種類や作用機序は不明である.そこで本研究では,hatchingの機構におけるPGの関わりを検索する目的でPGs生合成阻害剤であるindomethacin(Ind.)を培養液に加え,in vitroにおけるマウス胞胚のhatchingに与える影響を調ベ,さらに培養液にInd.とともにPGE_2あるいはPGF_<2α>を加えた場合について検討し以下の結果を得た. 1)Ind.は10^<-4>Mで有意にhatchingを抑制したが,その抑制は不可逆性のものではなかつた. 2)Ind.10^<-4>M+PGE_2群ではhatchingの抑制に改善はみられず,逆に用量反応性に抑制が顕著となつた.またその抑制は不可逆的でありPGE_2が胞胚にcytotoxicに作用した可能性が示唆された. 3)Ind.10^<-4>M+PGF_<2α>群ではhatchingの抑制はInd.10^<-4>M群と比較してPGF_<2α>10^<-6>M添加群とPGF_<2α>10^<-5>M添加群において有意に改善された.しかし,PGF_<2α>10^<-4>M添加群では有意差を得られなかつた. 以上の成績より着床前マウス胞胚は,アラキドン酸代謝をいとなみ,PG産生能を有していることが間接的に証明され,さらにPGがhatchingに作用し,特にPGF_<2α>は促進作用をもつ可能性が示唆された.また,高濃度のPGE_2は胞胚にcytotoxicに作用することが推測された.

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