絨毛癌における``細胞効果''発現機構の基礎的研究

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  • Fundamental Study on the Mechanisms of ``Cellular Effect'' in Choriocarcinoma

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抄録

2種類のヒト絨毛癌培養細胞株(BeWo,HCCM-5)を用いて,5種類の抗癌剤処理による細胞のDNA合成,生死,及び増殖とhCG分泌との関係をin vitroにおける厳密な条件下で検討し,以下の結果を得た.1)細胞株,抗癌剤の種類にかかわらず,細胞のDNA合成及び増殖の抑制と逆相関して細胞当りのhCG分泌は促進された.2)細胞の死滅に伴って細胞当りのhCG分泌は減少した.臨床で低単位hCG陽性絨毛癌患者の化学療法時に認められる血中あるいは尿中hCG値の一過性上昇,すなわち"細胞効果'は活性絨毛癌細胞が体内に残存しており,絨毛癌細胞のDNA合成,増殖が抗癌剤投与により抑制された状態で発現すると考えられ,死滅した状態での絨毛癌細胞からのhCG放出の結果ではないと結論された.

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