Epstein-Barr virusを用いた妊婦の絨毛性トロホブラストに対する液性免疫応答の検索

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  • A Study on Matemal Humoral Immune Responses to Villous Trophoblast Using Epstein-Barr Virus

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抄録

妊婦が自己の胎盤絨毛のトロホブラストを認識し, それに対して抗体を産生しているか否かをみるために, 正常妊娠・分娩を終了した産褥1日目の褥婦のBリンパ球をEpstein-Barr virusを用いてtransformさせた. Epstein-Barrvirusによるtransformation後4週目に, 培養上清中のヒト免疫グロブリン(IgGおよびIgM)の濃度をELISA法にて測定したところ, 80~90%のウェルでヒト免疫グロブリンの産生が認められた. さらにヒト免疫グロブリンを産生していたウェルの培養上清と自己の満期胎盤との反応を酵素抗体間接法でみた. その結果, 培養上清のなかにはsyncytiotrophoblastに反応するIgMを含んでいるものが認められた. そしてsyncytiotrophoblastに対して抗体を産生していたBリンパ球クローンが認められたのは,経産婦10例中3例, 初産婦2例中1例であつた. 以上のことより, 正常妊娠では妊婦は自己のトロホブラストを認識し, それに対して抗体を産生していることが示唆された.

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