GnRH Agonistの持続皮下注法 : 子宮内膜症に対する有効投与量ならびにhMG併用時の卵巣の反応性について

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  • Continuous Subcutaneous Infusion of GnRH Agonist : Effective Dosage for the Treatment of Endometriosis and its Influence on the Ovarian Response to Human Menopausal Gonadotropin

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抄録

子宮内膜症患者に対するGnRH agonist (A) 持続皮下注法の有効投与量と投与中の卵巣のhMG に対する反応性について検討した. 13名の子宮内膜症患者 (stage II~IV) にGnRH-A (Buserelin) 1日当たり200μg (n=5), 100μg (n=4), 10μg (n=4)をそれぞれ24週間持続皮下注した. 1) 投与開始後2週以内にestradiol (E_2)は3群とも20pg/ml以下に低下し, 以後もこのレベルを持続した. 2) LH は初期の一過性上昇後, 漸減したが, 投与期間中3群間に有意差はなかつた. 3) FSHは3群とも投与開始後速やかに低下したが, 10μg群の低下度は他の2群に比べ有意に少なかつた. 4) 黄体期後半から投与開始した例では開始直後のE2の上昇は起こらなかつた. 5) GnRHテストに対するLH, FSHの反応は3群とも投与2週以降消失した. 6) 投与終了後FSHの速やかな上昇とこれに続くLH, E2の上昇がみられた. 投与終了後の排卵は4週以内9例, 6週以内2例, 10週以内1例であり, 投与量による違いはなかつた. 7) 投与後半年以内に200μg群2名, 100μg群1名, 10μg群1名が妊娠した. 8)投与14週以降にhMGを2~4週間併用した7例では3例に平均250pg/mlのE_2増加がみられたが, 残り4例はほぼ無反応であつた. 治療終了後にhMGの単独投与を行つた4例では著明なE_2の増加がみられた. 以上よりBuserelinの持続皮下注法では1日10μgから200μgの間で十分かつ安定した下垂体一卵巣機能の抑制が可能であつた. また本法施行中の卵巣のゴナドトロピン刺激に対する反応性は低下していることが判明した.

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