小笠原諸島産のカノコイセエビPanulirus longipes femoristrigaの2型

書誌事項

タイトル別名
  • Two Forms of Panulirus longipes femoristriga (Crustacea, Palinuridae) from Ogasawara Waters, Japan
  • 小笠原諸島産のカノコイセエビPanulius longipes femoristrigaの2型〔英文〕
  • オガサワラ ショトウサン ノ カノコイセエビ Panulius longipe

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抄録

小笠原諸島の父島においてカノコイセエビ標本を入手した.小笠原諸島の漁師は,第1触角の鞭状部に白縞を欠くアカエビと,白縞をもつシラヒゲエビの2型にこれらのカノコイセエビを分けている.数量としては,アカエビが多く,シラヒゲエビは少ない。本論文では,これらのカノコイセエビの2型の色彩や形態特徴を記載し,動物地理学的見地からこれら2型について検討を加えた.これらの2型はいずれも胸脚に数本の白色の縦縞があり,GEORGE & HOLTHUIS(1965)の記載に従えば,カノコイセエビの亜種であるPanulirus logipes femoristrigaと同定された。関係文献の調査から,第1触角鞭状部に縞をもつものと,もたないものの2型の地理分布を調べてみると,カノコイセエビの亜種P.longipes femoristrigaの地理分布の北方の縁辺域(小笠原諸島を含む本邦水域)および南方の縁辺域(小笠原諸島,ニューヘブリジーズ諸島,ニューカレドニア諸島,フィージー諸島,クック諸島)においてのみシラヒゲエビ型の個体が出現し,その他の水域ではアカエビ型の個体であった。

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被引用文献 (8)*注記

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